第13話 豆乳(意味深)

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 以上。  野菜をメインに使ったおかず四品。  どれもこれも女性が好む薄味で食べやすい料理だ。 「わぁ、おやさいいっぱい」 「なんかいつもと違う感じだね」 「こないな料理もあるねんや。流石はジェロはん」  どれも試行錯誤だけれどね。  我が家の女性陣を集めて遅めの夕飯。  女性向け弁当の試作品を、プレートに載せてそれぞれの前に出す。「どうぞ召し上がれ」と言うと、三人は目を輝かせてフォークを伸ばした。 「かぼちゃ、すごく甘くて美味しい! 口の中でトロッととろけるのが最高!」  「このほうれん草のおひたしはええな。疲れた身体に染みるで」 「きんぴらしゃきしゃきおいしいの!」  女性陣には好評。  ミラなんて「もうちょっとかぼちゃない?」とおねだりするくらいだった。  仕方ないのでキスと交換で俺のを分けてあげる。 「これなら女性でも食べれそうね。けど、手間じゃない?」 「保存が利く料理だから。一度に大量に作れば大丈夫だよ」 「そうなんだ」 「ただ、野菜が多く必要だから――どうかな、ペコリーノ? 栽培できそう?」 「やってみるのぉ! ぱぁぱのために、ペコリーノがんばるのぉ!」  プレートを残さず食べ終えたペコリーノ。  気が早い愛娘がさっそく畑へと駆けていく。  もう夜も遅いのに。まぁ、アルラウネだから大丈夫か。
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