番外編 亮一と城之内の会話

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番外編 亮一と城之内の会話

 ハルがαどもに囲まれてしまった。  まあ、教師がいるから大丈夫だろ。  俺はハルが解放されるまで噴水の淵に座って待ってることにした。   そこには、噴水をじっと見てるやたら顔が良くて、背が高いやつがいた。 「ハルに興味ないの?」 なんとなく声をかけてしまった。 「ない。入学した目的だって婚活だろ?ああいう誰にでもニコニコするやつってαを手玉に取りそうで苦手。」 むっ!ハルの悪口!!ちらっと名札を見て名前を確認する。城之内かぁ。忘れないぞ!  なんだよ、ニコニコ応対してるのは、ハルが人がいい証拠じゃないか。 「それ、偏見!ハルも俺も純粋にΩの友達作りたいだけだし。」 「ふーん、まあお前はαとか嫌ってそうだし、そんな気するけど。」 「えーバレた?」 「ぷっ!堂々と本人に言うな。」 やつ、城之内は笑う。  全く、ハルといい、こいつといい、顔の良いやつの笑い顔って破壊力あんな。  まあ、こいつのことは、何とも思わんが。 「ところで、お前って宇宙物理学って詳しい?」 「あ?あーそこまではいかないけど、基礎物理学とか量子力学とかなら、分かるよ。」 「さすがα様。癪に触るけど、今度教えてほしいとこあるから、頼む。」 「おい、それが人に頼む時の言い方か?」  αの教室には、さまざまの大学教授が彼らを教えにやって来る。反対にΩには、一般的な高校教師しかいなかった。とはいえ、普通の高校より質はいいけど。  俺がむっと黙ってるとやつはため息ついて、仕方ないと言った。 「たまに、図書館いるから、会えたら、教えてやるよ。」 「サンキュ!」  短く礼を言う。自分の夢のためには、礼くらい言える。  ふとハルの方を見るとまだαどもが自分に関心を持ってもらおうと必死でアピールしてた。  ぶっ!なんで皆んなハルに跪いてんの!?  姫様かよ。  俺は時間になるまでその様子を面白く見ていた。隣では城之内が興味なさそうに時間が過ぎるのを待っていたが。
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