みんな僕に構ってくるんです

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寮のそれぞれの部屋に入る前に僕は気になることを聞いた。 「リョウくん、さっきの誰?」 「さっきの?」 「噴水の側で話してた人。」 「ああー。城之内(じょうのうち)って名札だった。」 「な、何か話した?」 「いやーたわいもないことかなぁ。何?気になるの?」 「あ、なんとなく。綺麗な人だなって。」 「大丈夫大丈夫!ハルの方が圧倒的に綺麗で可愛いから!」 「いや、そういうことじゃ…。」 「あいつはやめとけ。」 亮一は小さな低い声で呟く。 「どういうこと?」 「あーなんとなく?じゃ、また夕食でな!」 亮一はそう言うとさっさと話を切り上げて部屋に入ってしまった。  城之内くんかぁ。なんか、キラキラしてたなぁ。  僕は何もしなくてもいつも人が寄ってくるから誰かに特別興味を持ったことはなかったけど、彼とは話してみたい。  どこで彼と会えるかなぁ。  これからの日々に少しだけワクワクするのだった。
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