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僕って可愛いんです
僕は恋をしたことがない。なぜなら、僕が相手を知る前に男も女もみんな、僕に恋しちゃうから。
よく知らない人から好意全開で話しかけられたら、こっちの恋心なんて育つ訳がないのだ。
「春人、遠くの学校行っちゃうなんて悲しすぎる!!」
「そーだよー。今からでも地元の高校に入れよー。」
「春人先輩の美しいお顔が明日から見られないなんて!!」
「俺たちは、何を生きがいにすればいいんですかあ!」
中学校の卒業式終わりに、同級生だけではなく、後輩たちにも囲まれて別れを惜しまれた。
「みんな、大袈裟だなあ。」
僕はふっと笑った。
「あ"あ"!その笑顔!!天使すぎるぅ。」
僕が何か話したり表情を変えたりするだけで周りは大きく反応した。
いつも適当に言って切り上げるんだけど、今日は最後だし、しばらく付き合って上げることにしていた。
そのままワイワイやっていると、
「おい、そろそろ行くぞ。」
と幼馴染の拓真が声を掛けてきた。
拓真は自分と僕の荷物を持っていつも通り大人しく待っていてくれたが、さすがに痺れを切らしたらしい。
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