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01
俺の幼馴染――真北空は学園一女子にモテる。
ルックスは華やかだし成績は良いし運動も出来るしトークも巧みで女に親切で頼りになる。しかも大病院の跡取りだから金持ちだ。――これだけ条件が揃っててモテなかったらそっちの方がおかしい。
王子様キャラとしてウチの学校に君臨する煌びやかな幼馴染は、今日も颯爽と笑顔を振りまき、甘い言葉で女子を喜ばせていた。どっかのクラスで調理実習があったらしく、女子と共に差し入れのカップケーキがどんどん集っていく。
「空さん、今日も大量ですね」
「こんなに食べられるかどうか、少し不安だな」
憂い気にそんな事を言ってみせる幼馴染だが、毎回貰った差し入れをちゃんと完食する。美味くても不味くても残さず全て。
どこまで王子様キャラ貫いてるんだ。ちょっとは怖い差し入れがあるかも、とかそれこそ不安になったりしないんだろうか。医者の子供なら、異物混入や食中毒の可能性にもっと思考を飛ばそうぜ?
「少し疲れたな。元春。癒してくれ」
「……どうぞ」
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