07 お弁当

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「里帆、そういえばカウンセリングルームどうだった?」  戻ってきた美琴は用事が済んだのか、持っていた書類がなくなっていた。 「よかったよ。さっきまた予約したんだ」 「行ってよかったね。確かに顔色良くなってるかも」  ドキリとした。  顔色が良いのは、カウンセリングルームに通っているからではない。亘が母親のように里帆の面倒をみてくれているからだ。亘が幼なじみだったということはまだ美琴には言っていない。幼なじみだけだったらよかったけれど、恋人ごっこというややこしいことがプラスされているので、まだ話をするのは控えている。 「次はいつ行くの?」 「えーっと、今日の夕方かな」  先ほどイントラネットを見ていた時に、午後に空いてる時間があったので予約をした。亘には家でも話を聞いてくれるけど、基本的には亘の仕事に含まれることなのでカウンセリング予約を入れるようにしようと二人で話したのだった。 「仕事もうまくいくといいね。私もできることあったら協力するから」 「うん。ありがとう」  美琴は手を振り、里帆に背を向けた。ヒールの音が遠くなる。こうやって用事の隙間で声をかけてくれる美琴は、里帆のことを心配してくれているんだろう。しっかりしないと、と里帆は気合いを入れ直した。  昼休みを終えると新プロジェクトのミーティングだ。
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