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それに、まだ一度もクリーンヒットしていない。
つまり、威力のあるパンチを放てるということである。
一徹は、この《脱力からの超速パンチ》に《バーサーカーソウル》と名付けた。
それを聞いた青葉は、中学2年生だけあって、正しく中二病だと思った程のネーミングセンスの悪さだと思った。
しかし、オッサン化した一徹の中に若者らしい心が残っているのが、青葉としては嬉しかった。
光希を、それを見てボクシングのフリッカージャブの様だと独自で行き着いた一徹の格闘術を高く評価した。
さらに、上半身と下半身の連動性を高めるため、股関節周りの柔軟性も向上させた。
その結果として、より素早いフットワークが可能となった。
また、拳の強化だけでなく、足腰の強化も行った。
足腰の強さは、そのまま攻撃力に繋がるからだ。
一徹は、これも独自に考えたトレーニングを行った。
まずは片足立ちでのスクワット。
これは足腰を鍛えるための基本となるものだ。
次に逆上がり。
これは握力の強化にも繋がる。
次はバランスボールを使った運動。
重心の位置を把握し、姿勢を制御する訓練を行う。
最後は、ストレッチ。
一徹は、身体の可動域を広げるために、入念な柔軟体操を毎日行った。
こうして、日々の努力を続けた結果、一徹は徐々にだが着実に実力を上げていった。
ただ殴ることを覚えただけではない。
柔道に我流格闘術が加わった瞬間でもあった。
しかし、一徹の風貌は変わらなかった。
相変わらず、オッサンが学ランを着ている。学ラン漫画の様な姿だ。
青葉は一徹が強くなることに良いことと感じていたが、同時に心配もしていた。
これで良いのか?
言い訳ないだろと思った。
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