親友は女装男子!?

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 ーーでも、どうして? やっぱり見かけが女性だから? だから触れられても平気なの?  考えれば考えるほど、わからなくなってくる。  恋はグルグルと堂々巡りをはじめてしまった思考の渦に巻き込まれていた。  その最中、何やらぶつぶつと呟きながら恋同様に思考を繰り広げていた様子のカレンが動く気配がふいに伝わってくる。  ゆっくりと身を起こしたカレンが思いの外熱っぽい眼差しで、思案中の恋の顔を見下ろしてきた。  その熱視線に捉えられた瞬間。金縛りにでもあったかのような不思議な感覚を覚える。  ーーなんだろう? この感覚。  たとえるならば……。肉食獣にでも捕らえられた草食動物のような心地とでもいうのだろうか。  ただこれだけはわかる。  ーーもう逃げられない。  そう本能が心と身体に訴えかけてくる。  そこに恐怖心がないと言ったら嘘になる。けれども、そこに、確かに期待感を抱いている自分が存在する。  そしてその相手がカレンであることに対して、嬉しいとさえ思ってしまっているのは、なぜだろう。  その答えが出てしまう前に、視界の中のカレンがこれまで一度も見たことがないような、嬉しそうな微笑を綻ばせた。  ーー綺麗……。  この世にこんなにも綺麗な笑顔があったかと思うほどに、魅惑的なものだ。  魂ごと惹きつけられた恋は、うっとりと見蕩れてしまう。 「恋」  気づいたときには、恋の無防備な唇は、恋の名を愛おしそうに紡ぎ出した、カレンの柔らかな唇によって、甘やかに塞がれてしまっていた。  それはまるで繊細な砂糖菓子のような、極上の甘さを彷彿とさせる、魅惑的なものだった。  手を出してしまったら最後、引き返すことなどできない。そんな危うさを秘めている気さえするほどにーー。
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