女装男子とまさかの熱夜!?

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 無自覚な恋のお強請り攻撃を受け、女装男子に戻りかけていたはずのカレンが再び雄の姿に豹変した。  そうしてあたかも小説や漫画によく登場してくる、俺様ヒーローのごとく、えらく傲慢な口吻で宣言するかのように念押ししてくるという……。  これまた恋の見かけと同じく、平々凡々だった日常にはまったくといっていいほどに無縁だと思っていたことが起こっている。  ーーこれも酔っているせいなのかな? イヤイヤ、こんなの酔っているからに決まってるでしょ。  朝になったら、泡沫の夢となって跡形もなく消え去っているのだろう。  ーーそうでもないと、こんなことあり得ないんだから。  元々、恋は恋愛ごとに疎くて鈍いうえに、楽観的な性格の持ち主だ。  自分では解決できそうもない、何もかもを酔ったせいにして、本能の赴くままに身を委ねるのだった。  こうなってしまえば、鬼に金棒。恋に怖いものなど何もない。  けれどもはや獣と化してしまったカレンからなされる思いの外丁寧な愛撫にかかってしまえば、不慣れどころか未経験の恋など呆気なく陥落させられてしまう。  その鮮やかさと言ったらなかった。
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