31人が本棚に入れています
本棚に追加
どうせ私が、魔女。
「そう言うことか。でも、これじゃあ。どっちが本当に魔女だったのかはわからないよ」
「そう思った?私はこの記憶をきちんと全部持っているから、正解がわかるんだけど」
「教えてくれないの?」
「わからないの?」
そう言うと、妹は。
ええと、こちらの、今現在のこの世の方での、私の妹。
うたこの妹である彼女は、ニヤニヤと意地悪な笑顔を浮かべるのだった。
どうしても、自分で答えを出せと、そう言われているようだった。
でも、きっと、アンタのことだからね。
私が、どっちが本物の魔女だった、と言ったとしても。
こう言うのだろう。
いつだってそう言っていた。
小さな頃から、今までだってたまにはさ。
ことあるごとに、言ってたじゃん。
『私は、うたちゃんの身代わり』
私はその理由を、今日知ったってわけ。
ただ、そんだけの話。
最初のコメントを投稿しよう!