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君は魔女?3
そんな私の、姉だったのが、今の妹なのだそうだ。
ややこしいけれど、私は一卵性双生児の姉としてこの現代の世に生を受けた。
そして、普通分娩で私が出産され産声を上げている最中、5分後に妹は静かに生まれた。
やかましい生まれ方をした私は、見たまんま、やかましい生き方をしている
大人しく静かに生まれた妹は、大人しく静かに見える武装を選び、生きている。
そうして、前世の中での私たち二人は、やはり双子であり、正反対の道を辿っていた。
どちらかと言うと派手に見えてしまう、良い言い方をわざと選ぶならば華やかな妹である私。
そして、真っ黒なウェーブがかった長い髪を腰まで伸ばした、化粧っ気のない、質素な服装を好んで着用する姉である妹。
結婚したことは、一度もなかった。
勤勉で真面目、勉学が好きで、私が苦手としていた、人間の怪我や病を治癒する為に活かされるとされる方法を模索するのが好きだった。
賢く聡明なので、相談事に訪れる人物も少なくはなかった。
それは、もちろん男性も女性も、彼女よりも年上の人々まで、その知識に頼り、縋りたがった。
自分はまだ勉強中の身だと言って金銭を受け取ることもなく、それでも親身になり、数々の人たちを笑顔に変え、時には苦しい結論を伝え涙を流させた。
私たちは、どちらもある意味変わり者ではあったが、仲の良い双子だったそうだ。
全く同じ顔立ちに、瞳の色、肉付きや、骨格。
遺伝子だってピッタリ一緒だ。
足の指の形から、それぞれの指の持つ爪の形までそのまんまそっくりなのだ。
けれど、髪の色だけが違った。
ただ、それだけのことだったのだけれど。
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