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君は魔女?
妹は言うのだ。
私たちは前世でも双子として産まれたことがあったと。
そして、私の方は笑顔も多く、いつも人の中心にいるような女性だったと。
瞳の色は明るい緑で、金色のウェーブがかった細い絹糸のような美しい髪を持っていたらしい。
基本的に自分を中心として喋ることが多く、人からの意見はあまり気にとめず、何か相談事を持ち込まれるようなタイプの性格ではなかったようだ。
天真爛漫で無垢で、時折子供のようなことを言う、年齢のわりには落ち着きのない女性。
それなりに美しく、見映えも良い顔立ちと体型に、派手すぎない清楚な服を好んで着ていた。
けれど、男性はあまり寄っては来ない。
何故かと言うと、そのいつだかわからない前世とやらでの私は、未亡人だったとのことだ。
私にそのつもりが全くなくても、妖精のように可憐だとか、神秘的な雰囲気を持っていると言う者もいた。
けれど、それは決して褒め言葉としての意味だけを含むものではなかった。
きっと人間ではないから、一緒になると早死にしてしまうのだろうと。
そんなバカげた噂話をくっつけた、美辞麗句でしかない称賛。
まあ、それも仕方のないことだ、と笑い飛ばせるくらいに、その私とやらは楽観主義者だったとのことだ。
何せ、ただの未亡人ではなかったからだ。
この私と結婚の儀を済ませた男性は、25と言う年齢までの間に6人いたのだ。
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