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だいしゅきほーるど
「ねえ、もっと来て……」
そう言って、俺の恋人は律動させている動きを止めさせないように首に両腕を回しながら、両足を絡ませて、俺に抱きついてくる。
このしぐさをする時は、決まってセックスをする期間が空いてしまい、寂しい思いをさせてしまった時が多い。
仕事が忙しくて会える時間が取れない時期がある。もちろん、お互いにその事は理解しているけれど、何ヵ月もご無沙汰となれば話は別だ。仕事柄、出張が続くことのある俺は、こうしておねだりをさせてしまうほど、恋人に寂しい思いをさせている。
これがお前の精一杯の愛情のぶつけ方だとわかっているから、どれだけキツく抱き込まれても、俺は決してその腕を自分からは離すことはしない。
お前の求めるまま、奥深くまで突き動かすだけだ……。
「あっ、あっ……もっと、もっと……」
「そんなに寂しかった?」
「もう、おかしくなるくらい触れて欲しかった……」
「俺だって、ずっと触れたかった……」
「やっと、やっとこの腕の中に純一がいる。もうそれだけで泣きそうだし……」
「大袈裟だな。俺には幸哉だけなのに……」
「好きっ、好きすぎて、もう……おかしくなりそう」
「おかしくなればいい。俺だけを感じてろ……」
下側から抱きつかれてほどけない体は、普段よりもグッと奥深くで繋がっていて、そのせいか、ゆっくりと腰を動かしながら確実に感じるポイントを突いていくと、その度に幸哉の体がビクンと震えているのが伝わってくる。
「気持ちいい?」
「んっ……気持ちっ、よ……」
「俺も、お前の中……最高に気持ちいい……」
「ねえ、このまま中に出してよ……」
「ふふっ……そんなおねだりしていいの?」
「だって……愛してるから……」
「俺だって、愛してる……」
首筋にキスを落としながら、更に腰を動かすと、幸哉の腕がもっと強く離さないと伝えてくるように絡みついてきて、その首筋にチュッと吸い付けば、そこに赤い小さな花が咲く。
これがこいつが俺だけのものだという印……
「純一……あっ、あっ……」
「幸哉……」
「もっと感じていたいのに……俺、もう……」
「いいよ。イって……」
限界が近いと涙目で伝えられ、それでも離すまいと絡みついたままの腕と足をそのままに、俺は思いきり深く腰を打ち付けた。
「んっ、あぁぁ……あっ、あっ……」
大きく体が反り返ったと同時に、幸哉の先端から勢い良く白濁が飛び散り、絡みついていた両手足が力なくほどけていくのを確認すると、俺も素早く自身を抜き、自分の手の中で射精した。
横たわって動けないでいる幸哉にそっと顔を近付けて唇を重ねる。
「幸哉、大好きだよ」
「うん、俺も……」
優しく囁くように伝えれば、恥ずかしそうに頬を赤く染めたお前も、素直に答えてくれる。
どれだけ寂しい思いをさせてしまったとしても、何度だって大好きだと抱き締めるから、ずっと俺の側にいて。
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