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記憶の店、プロセチカ。
私はヘルパーさんが帰った後、新聞の広告の切り抜きの地図を手に取ると、車椅子の車輪を回し、玄関から外に出た。
わずかな印を見つけながら、店に行く。
少し怖いが、ワクワクの気持ち。
あぁ。
こんな思いは小さい頃のようで、久しぶりだった。
坂に出る。
車椅子が勢いよく滑る。
「あれ?」
ブレーキってどこだっけ。
……。
忘れた。
坂の下には川が!
「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
車椅子に乗ったまま、私は川を飛び越えた。
そのまま、気を失ったらしい。
気づいたら、『記憶の店、プロセチカ。』についていたのだ。
重い埃被った木製のドアを開けると、店の奥に誰かがいた。
そして、怪しく、「…いらっしゃい……。」と言った。
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