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記憶の欠片とは?
「お客様。記憶の欠片とは、ご存じでいらっしゃいますか?」
私は首を横に振った。
すると、その人は店の中にある『記憶の欠片』の中で1番大きくて綺麗な記憶の欠片と、1番小さい記憶の欠片を取ってきて、私に説明をしてくれたのだ。
「いいですか。お客様。記憶の欠片は人間が落とした、『感情』の一部分なのです。
感情が大きいほど欠片は大きくなり、
感情が小さいほど欠片は小さくなります。
そして、嬉しいなど明るい感情には欠片は明るい色を放ち、
悲しい暗い感情には暗い色を放ちます。」
そして、その人は記憶の欠片を机の上に置いてゆっくり、重みのある声でこう言った。
「さぁ。お客様。あなたが落とされた記憶の欠片はどんな感情でしょうか。きっときっと。この店にありますよ。」
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