霊媒師夕霧弥生 第二章 仲間

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この部屋で未解決事件を扱ってるんだ ダンボール箱が部屋の周りに無造作に積み上げられている 薄暗いまるで忘れられた墓場の様に思えた 「こんなに沢山の人が忘れられて行くんだ 可哀想に......」 埃っぽいダンボール箱が私に助けを叫んでいる みんなが一斉に叫ぶので誰が何を言っているのか分からない ダンボール箱が揺れだした 「みんな落ち着いて、私が出来る限り力になるから 今は静かにしてお願い」 箱は静かになった そこに後藤が飛び込んで来た 「いやあ、夕霧さん おまたせしましたな こちらから呼び出して、待たせるなんて本当に 申し訳ないです」 「いいんです、それより事件の事を」 「実はこれ見て欲しいです、2週間位前に キャンプ場から親達も居たのに 神隠しの様に突然消えたんです 未だに見つからなくて何か感じますかな?」 「子供の靴....出してもいいですか?」 「どうぞ」 大きく深呼吸して目を閉じた 「山、キャンプ、川、自転車橋、森.....家 1人で歩いてる女の子、男?手を繋ぎ家の方に.... ココは何処だろう 目隠しされて車に乗せられた子供達の声 幼稚園?スーパーの曲、ニンニクだわ臭いがする 人が話してる天川温泉.....車が坂を登ってどこかの家の地下で目隠しを取った 他に女の子2人男の子1人生きてる! 一戸建てで、屋根は赤い別荘地 あの山は地図地図見せて下さい」 「天川温泉ってココですな坂を登る道 あっココにくねった坂道がある 別荘地と言えばこの辺り赤い屋根 地図には家迄載って無いんだから 現地に行きます」 「スカイマップで探せば.....あっココ、ココです 白いテーブルも椅子も、この山です 間違いない、この子達が地下にいます 生きています 早く手遅れにならない内に」 「ありがとう夕霧さんすぐに手配します」 「あっスマホ忘れてますよ、はいスマホ」 後藤さん気をつけて」 私は後藤の手をそっと握った 「ありがとう夕霧さん、本当にありがとう」 後藤は一瞬目まいがしたが、振り返らず 電話を掛け、走りながら緊急事態を出し部屋を 飛び出して行った 「後藤さん、さようなら リン、これで私は刑事さんの記憶から 消えたんだね....なんか寂しいね」 リンは悲しそうに青く光った
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