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「うーん。帰宅する時間帯だったし、落とした場所に一度いってみて、いなかったら交番に行こうかと」 「うわっ。高戸、人良すぎ」  瀬戸くんは顔をくしゃっとさせて笑った。 「そういえば、瀬戸くんは? 迷い猫は見つかった?」 「いや、まだ。SNSで呼び掛けて、他校の友だちとかにも協力してもらってるんだけど」 「そっか」  瀬戸くん、顔がひろいもんな。そう考えて、はたと思った。 「瀬戸くん、チャコールグレーの学ランが制服の学校って知らない?」 「チャコールグレーの学ラン?」 「うん。この持ち主の人と一緒に制服を着た子がいたから。同い年くらいの」  瀬戸くんは、少し考えるようにした。 「もしかしたら、明学かな? けど、この辺を歩いてたりいるかな?」 「明学?」  私は首を捻った。  近くの学校ではないのだろうか?
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