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◇
学校が終わると、急いでアーケード商店街へ向かった。
落とし主の男の人とぶつかりそうになった角を曲がり道路へ行ってみたが、黒い高級車は停まっていない。
まあ、そうだよね。
一番近くにある交番へ行こうと踵を返したとき、鞄の中でスマートフォンの振動を感じた。
母からかもしれない。
教室を出る前に確認すると、母に送ったメッセージは既読になっていたが、返事はきていなかった。
鞄からスマートフォンを取り出して確認すると、着信画面に表示されていた名前は、母ではなかった。
「……瀬戸くん?」
連絡先を交換したばかりの瀬戸くんからの電話に出ると、どこか慌てた様子の声が返ってきた。
『ごめん、高戸。いきなり電話して』
「ううん、どうしたの?」
『急いで連絡したほうがいいかもしれないって思って。高戸、拾ったって言っていたお守り、もう交番に届けた?』
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