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住んでいる2DKのアパートの六畳の洋室は、私と奈智の部屋だ。
二段ベッドと、壁に横長に並べた勉強机だけで部屋はぎゅうぎゅうだけど、アルバイトで貯めたお金で自分たちの机を買えたときは嬉しかった。
奈智が寝ている薄暗い部屋で机の灯りだけをつけて、私は自分の机の引き出しを開けた。
机の奥に隠すように入れているお菓子箱を取り出す。
中に入っているのは、節約して少しずつ貯めているお金だ。
アルバイトをはじめるようになって貯めているお金は、三十万と少しになった。
私は封筒の中に入っているお金を確認すると、今日節約出来たお金を入れた。
貯金が増えると少しだけ、今より幸せに近づくような気がする。
引き出しの中にお菓子箱を戻していると、ぎいっと木が軋む音がした。
「お姉ちゃん、まだ寝ないの?」
振り返ると、いつの間にか奈智が二段ベットの上から私を見下ろしていた。
「ごめん、起こしちゃった?」
奈智は首を横に振った。
「何か、変な夢をみて目が覚めたんだ」
「変な夢?」
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