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「こんな時…って、離婚した相手と再会して飲む時…ってこと?」
「そんなこと言ってるんじゃなくて…。ホント…相変わらず無神経ね」
そういえば、結婚記念日には毎年ここで乾杯していたんだっけ…。そう思いながら、聡は乾杯を飛ばしてそのままジョッキに口を付け、三分の一ほど飲んでしまった。
そうだった…言うだけ無駄だったんだ。彩もムッとしながらそれ以上言いたくなるのを堪えて、自分のビールを一口飲んだ。
「離婚して、もう四年になるんだね」
聡はそんな彩の気持ちなどまったく意に介していないかのように、普通に話を続ける。いつからだったろうか、こんなにも噛み合わなくなってしまったのは…。
■やっと恋が実り、ゴールインした時から、恋の終わりは始まっている。
ふたりは共通の友人が声をかけて催した合コンで知り合い、二年半交際してゴールインしている。付き合っていた頃は、周囲の誰もが羨むような恋人同士だった。
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