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「エヘ…料理ってね、食べさせたい人がいるから作る気になるんだよ。おいしい…って言ってもらいたいから頑張る気にもなるし、相手がいるから凝ったものを作ってみようって気にもなるの」
彩が小皿に聡のシェパード・パイを取り分けながら尋ねる。
「聡は、いまも自分で食事を作ってるの？」
「ウ～ン、いまはもう弁当を買って帰るか、外食しちゃうか、どっちかになっちゃったな。今日の食事をどうしよう…って考えるのも面倒になって来たし…。誰かが作ってくれていると食べようって気になるんだけどね。彩の料理って結構おいしかったんだよ…。少なくともオレは好きだったな、彩の料理が…」
「でもさ、本当は聡もいろいろ料理が作れたんだよね。アタシに譲ってくれてたんでしょ。あの時に聡が作ったシラスおろしと大葉のパスタなんて、おいしかったもん」
「アハ、咄嗟の思い付きで作ったんだけどね」
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