乾杯の後に…

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「ウ~ン、どっちが本当の貴女か…によるな」 「フフ…どっちにもなれますよ。好きになっちゃった人のためなら…ね」 この場では、員数合わせで来ている…などと自己紹介する訳にもいかない。メンバーとして加わっている以上、この女性グループの印象を悪くしないためにも、相手に好感を抱いてもらえるよう気遣うことになる。それも彩のこの場における役割のひとつなのだから…。当然、対面した女性から何らかの反応を引き出したい…という男性陣の期待に応えて、気を持たせるような対応をしてあげるのもテクニックの内だ。 そうなると乗ってくる相手がいても、それはそれで仕方のない事。ただその相手が好みのタイプではなかったから、彩にしてみれば気軽にフランクな話ができただけなのだが…。そんな彩の態度を相手の側がどう捉えたかは、彩にも解らない。
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