乾杯の後に…

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最初の乾杯の時に彩の向かいに座っていた好みのタイプの男のコは、真理の事がお気に入りとなったようでかなり積極的にアタックしていたようだった。真理もまんざらでもなかったのか、解散した後の「反省会」でしきりと彼のことを話していた。美香や他のメンバーも、みんなそれぞれ相性のいい相手や惹かれる相手がいたようだった。そしてみんな異口同音に、相手側の反応も悪くなかった、少なくとも好感を持ってもらえたようだと報告していたから、この合コンは大成功と言えたろう。 美香たちのグループの合コンにはルールがあった。初めて顔を合わせる相手との合コンでは、携帯電話の番号はもちろん、メアドやSNSの交換もしない事。幹事役が相手側の幹事役と連絡を取り、気になった相手がいたら幹事役に問い合わせてもらうか、二度目の合コンを企画する。その方が好みでもない相手からのコンタクトを避ける事ができるし、付きまとわれる心配もないから…。 けれどこの日はみんな、絶好の魚を釣り損なった、あるいは釣られ損なったような気分だったのだろう。みんなしきりと「次はあるのか」、「次も同じメンバーで」…と美香に頼んでいた。
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