乾杯の後に…

162/205

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
「ウ~ン、仕事と同じでね。ゴルフって一緒にやってる人に迷惑をかけないためには、一生懸命にやらざるを得ないもんなんだよ。彩からみたら馬鹿馬鹿しいことかも知れないけどね」 「でもさ、仕事とさ、付き合いのゴルフを同じ次元で話しちゃう…って、あなたらしくないんじゃない? いつだって自分は自分…でやってきたはずなのにさ」 「アハ、それはそうかも知れないね。でもね、サラリーマンってたいがいの場合は仕事もゴルフも同じ人間関係の上でプレイしていくものなんだ。正論で言えば業務外の事なんだから気にする必要なんてない…って言っちゃうこともできるんだけど、うまく付き合っていれば仕事もスムーズにいける…となれば、やらざるを得ないケースだってあるんだよ。彩だってオフィスでランチタイムに誰を誘うか…とか、気を遣うだろ? たかがランチだって、それなりに人間関係なんだしさ」 手元のジョッキを飲み干し、ちょっと考えて聡は続けた。 「まぁ、昔の自分だったら、こんなことは言わなかったかも知れないな。変わった…と言えば変わったのかも知れないけど…」
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加