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「ウン、女子なのにいつも深夜まで頑張ってくれて、内田には感謝してるんだ。ご褒美って言ったってスケジュールはタイトだし、あんまりいいこともなかったよな。だけどせっかくヨーロッパまで来たんだから、自由時間をあげるよ。どこか行きたい所とか、やってみたいこととかあったら、何でも言っていいよ。さっきガイドブック見てたら、フランクフルトにも面白そうなクラブやライブハウスがあるんだってね。今夜は内田のしたいことに付き合うよ」
ほんの少し間を置いて、彼女は言った。
「だったら、今夜だけでいいから、抱いてください」
頬を紅く染めて、それでも聡を正面から見つめたままハッキリと言い切った彼女は、とてもかわいかった。
「どうする?」
ホテルの部屋に戻って買って来たワインを開け、あらためて乾杯しながら尋ねると、今度は彼女はまったく迷わず答えた。
「一緒に、お風呂に入りたいです」
ふたりでバスソープを入れて湯を注ぎ、泡で満たしたバスタブを作った。先に彼女がバスルームに入り、少し間をおいて聡が入る。
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