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弛んだ彼の腕をすり抜け、ソファに座る。冷蔵庫からビールとコップを出してきて、向かいに座った彼と顔が合い、ふたりで声を出して笑った。
「どうしたの?」
「エッ…先輩だって笑ってる」
「オレの顔、なんかおかしいかな…」
「そうじゃなくて、さっきの『ちょっとだけ、寄ってかない?』って、何が『ちょっとだけ』なんですか?」
「そう言う君だって、ラブホテルの呼び方の意味を訊ねて、どんな答えを期待してたんだい?」
今度はふたりで腹を抱えて笑った。男と女が、何がおかしいのかはともかく、ふたりで笑い転げる。もう随分と長いこと、そんな出来事はなかったような気がした。
笑っている内に、彼が隣へ来て肩を抱き、唇を奪ってくれた。やっと言葉が必要なくなり、そのままソファに押し倒されて服を脱がされていく。
…まだシャワーも浴びてないのに。さっきの店でトイレに行った時、もっとオードトワレをつけとけばよかった。
キスの合間にジャケットを脱がされ、ニットの裾が捲られ、強引に背中に腕が廻ってブラのホックが外される。
…どうせなら、ベッドへ連れて行ってくれればいいのに。
ショーツに手がかかった時に、言った。
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