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たぶんあれが、ふたりでした最初のショッピングだったろう。さらに聡が自分のデイパックを貸してくれたのもうれしかった。聡が使っている物を共有している…という事は、キャンプ仲間の目には確実に聡と深い仲の彼女と映るはずだから。
半日遅れで現地に到着し、聡がキャンプ仲間達に遅れた理由を話した時、みんな腹を抱えて笑った。けれどそれでみんなと一気に打ち解けて一躍人気者になれたのだから、結果良ければすべてよし…に思えていた。少なくとも実際に二泊三日のキャンプ生活に突入するまでは…。
キャンプしたのは東北の小さな湖の畔だった。砂地にテントを張り、簡単なかまどを掘ってファイア・プレイスを作り、デッキチェアを並べて湖畔の景色を楽しむ。最初は周囲の風景も、空気も、都会暮らしの彩には新鮮に感じられた。けれど景色は映画のように早廻しでドラマチックに変わっていくわけではない。「三十分で飽きちゃうかも」…それが彩の素直な感想だった。
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