乾杯の後に…

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彩の料理の腕前も回数を重ねる度に少しずつだが上達していくようで、友人達も褒めてくれたし、自分で「うまく作れた」…と自信を持てる料理も次第に増えていった。だから一年も経ったらその日のメニューの組み立てに悩むこともなくなっていた。 本音を言えば、ケイジャン料理を作って振舞い、学生時代に行ったニューオリンズの話題で盛り上がりたかった。けれども素材が手に入らなかったり、スパイスの調合が解らなかったりして失敗する確率が高い。だから基本的につまみの類は買ってきた生ハムやサーディンをアレンジして作り、主菜はローストビーフやシチューなど一般的だが確実に客に出せる仕上がりを見込めるメニューにした。
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