はるかとかなた

3/11
前へ
/11ページ
次へ
彼は告白した翌日から毎日店の前を通って学校へ登下校し始めた。そして、挨拶をしていった。時々花を買ってくれた。 「ありがたいけど、毎回高校生が花を買ってるのは高いから心配だよ。」 「バイトしてるので、大丈夫です。」 「だからってバイト代を僕の店の花に使うのはダメだよ。」 「母さんは家が華やかになって喜んでますから、大丈夫です。」 「大丈夫じゃないよ。止めてよ。もう。あ、バイトって何?」 「カフェの店員です。」 「高校生の店員じゃそんなに貰えないでしょ?」 「まあまあです。」 「じゃあ、やっぱりお花買うの止めようよ。」 「止めるけど、会いにきてもいいですか?挨拶くらいいいでしょ?」 「それくらいなら…。」 そして、彼は笑顔を見せた。 可愛らしくて胸がキュンとした。 でも、好きになっちゃいけないのに。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加