誰もが誰かのマイヒーロー

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仄華が自宅のベッドで目を覚ました時、脇に 置かれたデジタル時計は午前九時を指していた。 「ん、今日何曜日…」 寝ぼけた頭で時計を掴み目線すれすれに引き 寄せ、下に小さく表示された(日)に安心感を 覚えるとまた睡魔が襲って来た。 しかしそんな日常の安心感は 「えっ、何この格好?」 一瞬で記憶の彼方へと葬り去られてしまう。 彼女が着ているのは"仕事柄"ワンシーズン早い 季節もので、もしやと思い瞼に触れるとよれた アイシャドウが手の平にべっとりと付着した。 要するに帰宅後、部屋着にも着替えず風呂にも 入らず気絶した様に寝ていたらしい。 あれ、あたしあの後どうしたんだっけ。
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