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「影森君おはよう」
「ああ。おはよう」
そう挨拶してくるのは決まってリーダー気質の取り巻きの女。
学校の昇降口で靴から上履きに変える。廊下を歩けば、すれ違う度に黄色い声が上がった。
「きゃー。今。時雨君と目があっちゃった」
すかさず取り巻きの女が牽制する。それでも女たちはキラキラとした目を向けた。
学校は鳥籠だ。
檻の中には沢山の雛鳥が餌を求めては鳴き散らす。
ぴよぴよぴよぴよ。
私利私欲が渦を巻く。
影森時雨17歳。男。高校一年生。
最近この生活に疲れてきた。
「影森君これ私達から」
眠気覚ましに自販機のブラックコーヒーを渡された。
「ありがとう」
取り巻きの女は鼻を高くし誇らしげに笑った。
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