2かかった費用

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2かかった費用

 結婚相談所で活動していくためには当然、お金がかかる。実際にかかった費用を説明していこう。  最初に結婚相談所には前金を払うことになっている。それが10万ほど。それから月額2万円弱払っていくことになる。  それだけで活動開始というわけではない。結婚相談所で使うスマホの専用アプリに使う写真代、これから出会う男たちのために服や靴、カバンなどを新調する必要もある。普段の私は会社と家の往復のみで、服は男とデートするようなかわいらしいものは持っていなかった。適当なものしかないので、これでは男にお見合いを申し込んですらもらえないだろう。容姿だけでも整える必要があった。  私は婚活初期費用として、結果として1か月で30万以上を払う羽目になった。そのせいで、クレジットカードの上限30万円を超えてしまった。(実家暮らしの趣味なし、彼氏いない歴(以下略)でじつは友達もいない)ので、上限を低めに設定していた。クレジットカードが使えなくなったのは初めての経験だった。  内訳としては、結婚相談所の入会金(前金)、写真代、服に靴、アクセサリー、時計に美容院代などに消えていった。  婚活を始めるだけでもかなりのお金がかかることを知った。世の若者が、結婚したくなくなるのは致し方なしというわけだ。初期費用がそんなにかかるのだとしたら、結婚にたどり着くまでに、いったいいくらのお金を使うのだろうか。今からすでに空恐ろしい。  ということで、いざ、写真も服もそろえて婚活がスタートしたわけだが、とりあえず、まずは専用のアプリから好みの男性を見つけて、「お見合い申し込み」をすることから始めるらしい。専用アプリには男性の顔写真がずらりと並んでいた。  これがホストやアイドルの写真だったら、どれほどよかったか。しかし、現実は結婚相手を探す、私と同志の者たちだ。勝手に親近感を覚えてしまう。  ここで余計なことを話すと、私の髪型はショートヘアである。アプリに使う写真は専門の写真館で撮るのが普通らしいので、私も例にもれず、写真館で撮ってもらった。そこのお姉さん曰く、私みたいなショートヘアのお客さんは初めてだとのこと。 「お客様みたいなショートヘアの方は初めてです」  それは偏見なのでは。  写真館の女性に言われた言葉に思わず首をかしげてしまった。いったい、この女は何が言いたいのだろうかと思ってしまった。  髪が短いから何だというのだ。芸能人だって最近はショートヘアが流行っていて、髪の短い女性はたくさん活躍している。すでに写真を撮るところから、私の婚活に対する意欲は失われつつあった。そして、写真館のわりに、出来上がりの写真は大したものではなかった。お見合い写真なのだから、もっと真剣に写真を撮ってくれるのかと思いきや、大した時間も枚数もとらずに、そこから好きな写真を選べと言われただけだった。修正も申し訳程度で、まったくやる気が感じられなかった。  お金は1万円弱くらいとられた。ぼったくりもいいところだと思っても仕方ない。とはいえ、彼女自身は、私が人生の岐路に立たされていることも、私の婚活がどうなろうと知ったことではないのだから。だからと言って、自分の仕事にはもう少し、誠意をもって取り組んだほうがいいと思う。  ちなみに雑談だが、婚活に使ういわゆる、「お見合い写真」の時の格好だが、男性はたいていスーツで撮ればいいらしいが、女性は特に決まりはないようだ。とりあえず、私は無難に白のブラウスにカーディガンという格好で挑むことにした。男性は基本スーツで大丈夫だというのが、なんだか男女差別な気がした。
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