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「亜衣……亜衣」
なんだか身体がグラグラ揺すられている。
「ん……りく?」
うっすら開けた視界に、ボヤッと眼鏡の顔が覗き込んできた。
「うわっ‼︎」
思わず仰け反ったら、そのままバランス崩した。
「馬鹿っ」
咄嗟に陸が支えてくれて、椅子から転げ落ちる醜態は免れた。
「ご、ごめん」
「お前っ……本当、外飲み禁止な!どうしても飲みたいなら、しっかり最後まで面倒見てくれる彼氏作ってから行け!女友達とは禁止だ‼︎」
あまりの陸の剣幕に、酔いが少しさめてきた。
陸はまだブツブツと小言を言っている。
「陸、お母さんみたい」
「はあ⁉︎人が心配してやってるのに」
「うん、嬉しいよ。ありがとう」
素直に伝えると、陸は顔を赤くして横向いた。
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