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「はーい、じゃあこちら側から自己紹介始めます!」
そうして男性側から始まった自己紹介に、私はこっそりため息をついた。
参加予定の1人が急に来られなくなった代わりにと、職場の先輩に無理矢理連れてこられた合コン。
そんな私の気持ちなんてお構いなく、男性が1人ずつ自己紹介していき、女性陣が和かに対応していく。
あーあ、早く終わらないかな。帰ったら昨日の配信ドラマの続きを観て……
「近藤陸。24才」
……え⁉︎
ふと聞こえてきた名前に、私は思わず顔をあげた。
左斜め前に座っている、眼鏡をかけた男性。
「り、く?」
面影はほとんどない。
それはそうだ。幼い頃の顔しかしらないんだから。
でも相手も私を見て、目を見開いている。
「亜……何で」
その言葉で相手が自分の想像と一致している事を確信した。
「本当に陸なの⁉︎」
思わず席を立ち上がった。
子供の頃、両親の離婚で離れてしまった、双子の弟。
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