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第1作 帰り道にイタチを見た
遠藤 司
自転車で車道をはしっていると何かを轢いてしまった
その、何かは死んだイタチだった
川の上にある車道の真ん中
轢かれたのではない。
轢かれたら外傷はあるはずなのに
外傷はなかった
登っている最中で力尽きてしまったのだろうか。
車道は深夜でも車どうりが止まない
その車道をもうすぐ力尽きるであろうイタチが
車が走っている隣、真ん中まで走れるだろうか
もしかしたら
力尽きたのではなく、だれか轢いていたのだったら
車ではない。
バイクだとしても外傷ができる
可能なのは自転車のみ
もしかしたら
轢いたのは自分だったのかもしれない
僕は怖くなってその橋を通る事をやめた
だって、轢いてしまったはずのイタチが
自転車のかごに乗っているのだから…
第2作 イタチのごはん
白崎 普
僕の家のご飯は
ちょっとおかしい
材料を聞いても教えてくれない
ただ、解るのはお母さんが食材を買いに行くのではなく
とってきている ということだ
茶色くて長細い動物を
僕たちは食べている
ある日、お母さんは
死んだイタチを手に抱えて持ってきた
自転車のかごに乗っていたイタチだろう
僕は怖くて見に行けなかった
あのイタチ自体、僕が乗せたものじゃないんから
少し待つと、母親がご飯ができたと言ってきた
いつもどうりのご飯だ。
そういえば、あのイタチはどうしたんだろう
知らないどうぶつを埋葬するっていう性格でもないし…
家の中を探してみたがイタチの姿はない
気づいてしまった僕は家を飛び出した
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