ひまわり畑と降り注ぐ雨と優しい君の声

男性がわたしの顔をニコニコと笑顔を浮かべながらじっと見ているのでドキドキしてすぐに言葉が出てこなかった。

「あの……どこかで、お会いしたことありませんか？」

わたしは、おもいきって聞いた。

「……ありますよ」
まさかの即答だった。きっと、不思議そうに首を傾げるのかなとわたしは思っていた。
「……えっ！ わたしと会ったことあるんですか？」
わたしの顔はきっと間抜けな表情になっていると思う。だって、口をぽかんと開けて男性の顔をじっと見てしまったのだから。

「どうされたんですか？ 表情が固まっていますよ？」
男性は、わたしの顔を覗き込みながら心配そうな顔をしている。

やっぱり、この人のことをわたしは知っている。果たしてどこで会ったのだろうか？ 思い出すことが出来ない。

「……す、すみません。失礼だと思いますがどこで会ったか忘れてしまったので教えてもらってもいいですか？」

男性はわたしのことを覚えているのに忘れてしまったなんてめちゃくちゃわたしは失礼な奴だよねと思いながら手を合わせて謝った。

「いや、そんなに謝らなくても大丈夫ですよ。あの日のあなたは見えていなかったんですから」

そう言って笑った男性の頬にはやっぱりえくぼができていた。

「あ、もしかして」