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わたしはベーカリーミナミであんぱんとホットドッグを買った。
空を見上げると今日もソーダ水のような青空が広がっていた。
左手に光二さんに借りていた青色の傘を持ち右手には今買ったばかりのベーカリーミナミのビニール手提げ袋を持った。
ドキドキわくわくしながらわたしは歩いた。
公園に着くと青空に向かって咲いているひまわりが見えてきた。わたしは公園に入りベンチに腰をかけた。
光二さんはまだ来ていない。わたし以外に誰もいない。
都会のビルが立ち並ぶ中に黄色のひまわりが咲いている街中の公園。だけど、今公園には誰もいなくて優しい黄色の世界にわたし一人だけだ。
黄色のひまわりがわたしを包み込んでくれているそんな感覚に陥る。
「日真莉さん、こんにちは、待たせてすみません」
光二さんの柔らかい声が聞こえてきた。
その声に振り返ると光二さんは笑顔だった。頬にはやっぱりえくぼが出ていた。
「わたしも今来たところですよ」
「それなら良かったです」と言いながら光二さんはベンチに腰をかけた。
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