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ベーカリーミナミのビニールの手提げ袋からパンを取り出した光二さんは、
「さあ、食べましょう」と言ってにっこりと笑みを浮かべた。
その笑った時に頬に出るえくぼがやっぱりいいなと思った。
わたしもビニールの手提げ袋からパンを取り出した。
「いただきま~す」
あんぱんとホットドッグどっちから食べるか迷いホットドッグから食べることにした。
わたしが口を大きく開けてホットドッグを食べようとしたその時光二さんが、「あっ」と声を上げた。
びっくりした。口を大きく開いた状態のまま動きが止まってしまったではないか。きっとわたしの顔は間抜けな顔になっているはずだ。恥ずかしい。
「えっ? 何ですか?」
わたしはホットドッグを食べる手を止めて聞いた。
「いえ、ホットドッグこの前日真莉さんが食べたそうにしていたことを思い出したんですよ」
そう言った光二さんの手にもホットドッグが握られていた。
「あはは、食べたそうにって? 光二さんもホットドッグなんですね」
「はい、ホットドッグ好きなんですよ。食べましょう」
光二さんは口を大きく開けてホットドッグにがぶっとかじりついた。
わたしも口を大きく開けてホットドッグを噛った。ソーセージの肉汁がじゅわーと溢れとても美味しい。
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