ひまわり畑と降り注ぐ雨と優しい君の声

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幸せだ。とてもとっても幸せだ。 ホットドッグの肉汁のじゅわーじゅわー感と光二さんの柔らかくてえくぼが出る顔を見ていると世界中の幸せを独り占めしているそんな気持ちになる。 なんて、ちょっと大袈裟だけどね。 「日真莉さん」 「はい、何ですか?」 「幸せそうにホットドッグを食べますね」 「うふふ、だって、このホットドッグ美味しいんですもん」 わたしが笑顔を浮かべて答えると光二さんが、 「日真莉さんの笑顔はひまわりみたいですね」と言った。 「えっ! あ、ありがとうございます」 そんなことを男性から言われると照れてしまうよ。わたしの頬がちょっと熱くなった。 以前光ちゃんに言われたことを思い出した。ひまわりの花に似ている。太陽のように明るい日真莉ちゃんのそばにいると元気になれるんだ。そう言ってくれ光ちゃんの笑顔が忘れられない。 「このアボカドベーコンパン」 「はい? アボカドベーコンパンって何ですか?」 突然言われたのでわたしは何のことか分からなかった。 「すみません。日真莉さんがこの前食べていて美味しいと言ってたパンですよ」 見ると光二さんはアボカドベーコンパンを手に持っていた。 「あ、それ買ったんですね」 「日真莉さんが美味しいって言っていたので」 そう言ったかと思うと光二さんはアボカドベーコンパンをぱくぱくと食べた。 そのアボカドベーコンパンを食べる光二さんの幸せそうな顔を見るとそっちこそひまわりに似ているかもねと思い笑いそうになった。
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