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そんなことを考えているとぽんと肩を叩かれた。突然だったのでわたしはびっくりして思わず「きゃっ!」と声を上げてしまった。
振り返ると直紀さんがお盆を片手に立っていた。
「日真莉ちゃん、びっくりさせたみたいでごめんなさい。これ、サービスですよ」
直紀さんがそう言いながらわたしの目の前にウエハースの添えられたバニラアイスクリームを置いた。
「わぁ~めちゃくちゃ美味しそう。ありがとうございます」
わたしは嬉しくて満面の笑みを浮かべた。
「あはは、そんなに喜んでもらえると嬉しいですよ。キッチンスタッフの試作品メニューなんだけどね」
直紀さんはクスクスと口元に手を当てて笑った。 その直紀さんの笑顔はふわりと柔らかい。
きっと、料理が美味しいこともさることながらこの笑顔と接客態度が素晴らしくてお客さんがやって来るのだろうなと思う。わたしもその一人なのだ。
「いただきま~す」
わたしは笑顔を浮かべスプーンを握った。
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