放言解放少女

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「誠に申し訳ありませんが、本公演につきましては中止とさせていただきます」 「なぜなら役者全員朝から体調不良」「和式洋式何度も駆け込み」 「こいつが我慢しきれず」 「くそっ!」「くそったれが!」 「失礼しました」 「それで」「精神崩壊」 「つきましては、本会場受付にてチケット代を返金のもと、気をつけてお帰りいただきますようお願い申し上げます」 「また、本公演につきましては、再度公演できますよう、努めてまいりたいと思っております」「ですので、何卒、何卒再び足を運んでいただきますようお願い申し上げます」 「本当に申し訳ございませんでした」 「と、深々と頭を下げ、謝ったにもかかわらず」「客席からはこうだ」 「ふざけんなー」 「いや、テメェらがざけんな」  クリクリ坊主に明らかに大きすぎる黒縁メガネをかけているガキンチョ、ショートヘアでおでこを出している無表情のメスガキ、前髪で目が隠れていてにやけ面のクソガキのテンポ良く進めるのを遮った。 「ったく、テメェらが『お姉ちゃん見て見て〜』って年甲斐もなく言うから見てやってんのに、なんだその茶番は。忘年会か」  クリクリ坊主とニヤケ長髪を指差して「テメェら足して2で割れ」と言ったら足そうとしたのか、頭から両者突進していく。そしてぶつかる寸前で止まり、「うわぁー」なんてほざきながら双方後ろに飛んでいった。真ん中からニヒル短髪が体操選手の成功したポーズで堂々と突っ立っていた。  確かに見た目はちょうど良くなった。しかしその代償が性別の転換と感情の欠落か。「0点、創造性のカケラもねぇな」と批評するとニヒルが私から視線を逸らし俯いた。  全員身長167cm以上ある高校生だと再認識するとこの国の未来は危殆(きたい)に思えた。
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