放言解放少女

4/9
前へ
/9ページ
次へ
     † 「生まれは地方の田舎町。私、弟、妹の三人姉弟。某有名大学を卒業し、企業へ就職」「人生は軌道に乗り、これからだという時に、ある悩みを抱えていた」 「私は恋をしたことがなかった。二十二歳にして初恋もまだ。男女が付き合うって何をするの?」 「見つめあう?」「手を繋ぐ?」 「一緒に出かける?」 「夜景の綺麗なところで食事をする?」「そしてゆくゆくは」 「と考えていた私は、恋に対しての憧れと興味を持っていた」 「そして、現れた。忘れもしない。月がかすかに街灯のない道を照らし、夜風が優しく吹いていた。そして何より」「その日はすごく綺麗で、星が満々と輝いて、天の川が見えていた」 「そして出会った」 「すぐに恋に落ちた」「一目惚れにして初恋」 「電柱に触れているゴツゴツとした手」 「太い肩」「腰からももにかけてのボテボテのライン」 「チークの濃い頬と笑みを浮かべた時のシワ」 「そして、排水溝付近を流れる天の川」「その女性は私の顔を見るや否や、さらに地上に天の川を作っていた」 「おえぇ」「ひどく魅力的だった」 「ひどく心惹かれた」 「ひどくくさかった」「だから、声をかけた」 「あの! すいません。これから一杯私とどうですか?」 「この状況見てわかりませんか? 今日は無理です、う!」「一週間後、会うことになった。だが、口下手で引っ込み思案で」 「二人で飲むなんて無理!」 「だったので友達を誘った」「合計六人での飲み会」 「このチャンス、何がなんでもものにしてみせる!」 「と、意気込んだ私は」「幾度の席替えを経てもとなりに居座り」 「逃さない」 「だから三回目あたりに彼との間にカバンを置き」「始めるほどの照れ屋で心を許し始めている状況の中」 「気がかりなことが一つあった」 「右隣には彼女が」「左隣にいた一人の女性が」 「幾度の席替えを経ても変わらなかった」 「なぜとなりがずっと変わらないのかと怖くなり自分との間にカバンを置いた」「それをみて左隣の女性は」 「は! これはきっと照れ隠し! 心を許し始めている証拠だわ!」 「にたりと微笑む」「怖さのあまり酒が進む進む」 「うれしさのあまり酒が進む進む」 「ストレスのあまり脚でキックキック」  いい加減無視するのも耐えられないほどになり、つい脚が出てしまいそうになる。というか出す前提で追いかけ回すとガキどもが中断をして部屋内を逃げ回っていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加