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「まさか。万が一、売った後に力を取り戻してみろ。大損だ。悔やんでも悔やみ切れない」
「がめつい奴だな。戻らないかもしれないぞ?」
「がめついのはどっちだよ。力が戻った時はそっちの丸儲けじゃないか。……アンタだって、その可能性を考えたからただのガラス玉に100ゴールドも出すんだろ?」
「……さて、なんの事だか」
全く白々しい。
俺はしらばっくれるオヤジにため息をついて踵を返す。
「おや、もう行くのかい?」
「宝珠のおかげでケガや疲れはなかった事になったが、収穫もなくなったんでね。さっさと切り替えるしかないだろ」
「まあ、それもそうだな。じゃあ次こそはウチにも儲けさせてくれよ」
調子の良いことをほざくオヤジに背を向けたまま手を振り、そして俺は再び遺跡を漁る日々へと戻る。
今度こそ、俺を満足させてくれる宝を求めて。
fin.
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