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ご報告
「点滴終わったら呼んで下さいね」
看護師は和に点滴を着けてそう言って出ていく。
「和?」
「……」
寝たんか?
それとも拗ねてるんか?
「こない顔色悪いのに我慢せへんでも」
さて。
このあと社長が来るんやからちゃん話せなあかんしな。
**************
ヴーヴー。
来たんか?
『病院にきた。どこに来たらいいんだ?』
とりあえず和を起こさんと。
「和。起きぃや?社長たち来たで」
「ん、んんっ」
「キツイなら横になったままでえぇからな?」
「大丈夫」
「なら社長たち連れて来るからな」
それから。
しばらくして社長たち連れて病室へ。
「社長っすみません」
「遊佐、いいから」
「で木村くんだったかな。話はなんなのかね?」
和のとこの社長は迫力あんな。
いやいや。
怯んだらあかん!
「いきなり呼んですみません。俺、和いや、遊佐和威と付き合うとります!」
「それで?」
和んとこの社長さんそれで言うたか?
「報告しとこう思いまして、マスコミや世間には一切言ったりはするつもりはないですから」
「遊佐は、いいのか?」
「社長。俺は貴史といたい。貴史とずっといたいんだ……」
「木村。私から言うことはない。いいな?遊佐くんと付き合うって宣言したからにはきちんと守ってやれ」
「社長何言うてん?そんな当たり前や。俺は和を絶対に守るから」
「遊佐。相談なんだか、しばらく療養しないか?」
「え?」
「喘息まだ治まってないんだろう?普段から甘えたりしないんだから。この機会にゆっくり休め!こちらはどうにでもなるから」
「和、社長さんの好意に甘えて休みや」
「え、でもっ」
何でやろう?
嫌なんか?
「休みたくないんか?」
「だって、休むと生活できなくなるだろう?」
なんやそないなことか。
「そないなこと気にせんでも俺が和を養ってやるから」
和は俺と社長さんの説得で来月から休養することに。
で、和はあのあと退院し、今入っている仕事をこなしていた。
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