記念日にしよう

1/1
前へ
/52ページ
次へ

記念日にしよう

次の休み。 俺は貴史とジュエリーショップにやってきた。 この間指輪買いに行こうって言われたからな。 いかにも高そうなそんな感じのところに。 「なぁ、かなり高そうだけど」 「大丈夫やで。そんな気にせんと!ほら和行くで?」 あれから。 貴史は手を繋ぎだがる。 俺も嫌じゃないからいいんだけど。 なんとなくだけど。 貴史の奴なんか企んでる。 そんな気がするんだよな。 「和はどのデザインがいい?」 「あ、これ。ムーンストーン?」 「そうですよ。先週入荷したばかりで」 「これがいい」 「それでいいん?」 「ムーンストーンは誕生石だから」 「なら、和のにはトパーズで俺のにはムーンストーンにしようか?」 「なんで?」 「俺の誕生石のを和に持ってて欲しいねん」 指輪買って家に帰ったあと。 貴史に手紙と指輪を渡された。 99c45291-4a62-4532-885a-d10730ca8d82 ・ ・ ・ 。 「ははっなんだよ」 「俺の正直な気持ちやねん」 「和。俺とずっと一緒にいてほしい」 「俺、貴史とずっといるから」 そして。 貴史はささやきながら言ってきた。 今日は結婚記念日やって。 結婚ってまぁ、いいけど。 貴史。 俺もお前が好きだから。 俺だってお前から離れていくつもりないから覚悟しとけよ?
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加