佐々木蓮と和威

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「なぁ、和威。お前さん最近おかしいで?」 「そう?」 「好きな子でもできたんか?」 「っ!?」 なんでばあちゃんにはわかるんだろう? 「そんなんじゃないよ」 「もしやったらばあちゃんにちゃん紹介するんやで?」 「うん……」 ばあちゃんに紹介できないよ。 だって。 俺の恋愛対象は女の子じゃないから。 それから点滴と薬でなんとか胃腸炎は治った。 それからしばらくして。 連さんの本当の姿をみることになった。 クリスマスが終わり、年明けて。 成宮くんと何人かと初詣に行った時。 偶然見てしまった。 「あれ?佐々木先輩じゃん!」 「家族で初詣じゃね?」 聞かなきゃよかったのに。 俺は聞いてしまった。 「家族って?」 「知らない?佐々木先輩学生結婚してて、確か今2人目を奥さん妊娠中だっけ?」 「そう。確か6ヶ月」 奥さんいるのに何で? 俺は違うって言ってもらいたかったから蓮さんと会う約束した。 「蓮さん。蓮さんて、、、結婚しているんですか?」 しばらくの沈黙のあと。 連さんは言った。 「なんだ、気づいたんだ?」 「……」 「そうだよ。俺は結婚してるしもうすぐ子供も産まれる」 「何で?」 奥さんがいて子供が産まれるなら何故? 何故、俺に構ったの? 「1人だけとか人生つまらないじゃん?刺激が必要だし?」 万が一俺とになってもわからないし。 妊娠もしないから。 いくらでも言い訳ができる。 きっとそういうことだろうと思う。 それからしばらくして。 俺が男が好きだと噂が流れた。 成宮くんは最後まで庇ってくれていた。 俺は人目の怖くなり学校に行かなくなった。 違う、行けなくなったんだ。 ばあちゃんの頼みで買い物に行った時。 俺は出会ってしまった。 連さんと連さんの奥さんに。 「あ、」 「やぁ、和威くん。久しぶり!」 「はい、お久しぶりです」 蓮さんと話すと何故か息苦しかった。 そして、ムカムカしていた。 「買い物?」 「はい。ばあちゃんに頼まれて」 「偉いね」 蓮さんは俺の頭を撫でようとした。 でも。 俺はつい振り払ってしまった。 「あなた行くわよ」 「じゃあ。また、みんなで遊ぼうな?」 蓮さんが去ったあと。 吐き気とムカムカと頭痛と息苦しさが一気にきた。 その後のことは覚えていない。
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