冗談じゃない!

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冗談じゃない!

「和はまだ寝てるよな」 昨日。 急にマネージャーから電話入って仕事になってん。 まぁ、仕事しとる方が何も考えんでえぇからいいんやけどな。 『急に朝から仕事になったから行くな。飯は無理して作らんでえぇからな』 そうメモ残して家を出た。 そして。 夜、ようやく終わり帰る時。 和からメールが入っていることに気づいた。 メール? 珍しいな。 どないしたんやろ? 『今日、先輩と飲みに行くから。遅くなっても心配しないでいいから』 飲みに行くんか。 なら、今日。 飯食って帰るか。 その日は和は帰ってこんかった。 別れたし和を束縛するんは間違いやからわかったってメールはしたんやけどな。 それからしばらくして。 「は?」 「だから。同じ事務所に所属してる柊さんに相談したらいてくれていいって言うからしばらく柊さん家にお世話になることにしたから」 柊ってあの柊やろ? 声優の。 和と同じく女性に人気の声優の。 ただ、噂で。 気に入ったヤツと同居に持込んで落とすって。 自分に惚れたら捨ててしまうって。 女優の子からそう聞いた。 次が和なんか? 冗談じゃあらへん。 そんなことさせへん。 絶対に。 「柊さんって人好きなん?」 「ただの先輩だよ」 ただの先輩か。 良かった。 「来月の頭には出ていくから」 そう和は告げて立ち去った。
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