プロローグ

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プロローグ

ねぇ、恋愛ってドキドキするものでしょ? 「はいはい」 ねぇ、ドキドキしなきゃ恋愛じゃないの! 「ちょっと、春馬聞いてんの?」 私のうなじから指を挿し入れて、春馬(はるま)が、私のよそ見ばかりの癖っ毛を綺麗に魔法をかけていく。 「俺、真理亜(まりあ)の髪の毛に恋してんの」 意地悪く笑った春馬のその言葉の意味に、私はまだ気づいてなかった。 あなたの指先は魔法みたい。 昔見た絵本の中のお姫様みたいに、あなたの指先で私に魔法がかかる。 ひねくれたお姫様には王子様なんて来ないと思ってた。 「夢、思い出してよ、真理亜」 幼い頃に願った、おままごとみたいな夢は、ちゃんとあなたが叶えてくれた。 そして、今日あなたの指先が、私を人生で一番綺麗に魔法をかけてくれる。
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