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図書室。
春木はこの日の放課後も一人だった。
客観的に見れば彼が物悲しさを感じているように見えるかもしれない。その空間には彼一人しかいないわけだから。
だが、当の本人にとってそれは、自分の大好きな世界を築くための通過儀礼のようなものなのでなんとも思わない。
春木は一冊の本を手に取り席に座る。
本を開こうとした時、扉の方から誰かが入ってくる音がした。
春木はついていないと思いながら、文字の羅列を脳内で処理していく。
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