気付いてなかった僕と気付いてた彼女

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 学校のバレーボールクラブの所属している加奈は、小説を読んだ経験は読書感想文を書くとき以外ない。  加奈がここに来た理由。それは、バレーボールの技術について細かく書かれた本が置いていると、友達から聞いたからである。  加奈は、バレーボール部のキャプテンだ。  限られた時間を有効に使い、少しでも強くなりたい——そして、次の試合で絶対に勝利したい。  明るい性格からは読み取りにくいが、実は誰よりも負けず嫌いな加奈にとってここに来ることは当然の帰結だったと言えるだろう——が、今回だけは、負けたくないという想いの重みが違う。  加奈は、一瞬だけ春木を見やり、すぐに視線を戻す。早々に目的の本を探し始める。
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